桜がちょうど満開の、ぽかぽかと気持ちのいいお天気になりました!
2026年4月の考古学サークルならは、県境を越えて三重県名張市へ。近鉄大阪線の美旗駅(みはたえき)を起点に、国の史跡・美旗古墳群(みはたこふんぐん)を桜のなかで巡って、伊賀神戸駅(いがかんべえき)まで歩きました!

駅を出て、まずは美旗古墳群のハイキングマップで今日のコースを確認します。この一帯には大きな前方後円墳がいくつも点在しているそうで、地図を見ているだけでもわくわくしてきました。

歩いてすぐ、「史跡 美旗古墳群」と刻まれた立派な石碑がありました。

美旗古墳群は、名張市の北東部、昔「身野(みの)」や「小波田野(おばたの)」と呼ばれた台地につくられた古墳群なんだそうです。説明板によると、5基の前方後円墳と、それに伴う陪冢(ばいちょう)と考えられる6基の方墳、やや南に離れて6基ほどの円墳があったとのこと。今は方墳や円墳の多くは消えてしまっていますが、大きな前方後円墳が残っています。
まず向かったのは、群のなかでいちばん大きな馬塚古墳(うまづかこふん)です!

説明板によると、馬塚古墳は全長142mの前方後円墳で、美旗古墳群の中で最大なんだそうです。三重県内でも、伊賀市の御墓山古墳(みはかやまこふん)に次ぐ大きさとのこと。後円部は三段に積み上げられていて、前方部は二段で低く、平坦な広場のようになっています。それぞれの段には葺石(ふきいし)や埴輪がめぐっていて、墳丘の周囲には幅12mの周濠(しゅうごう)があるそうです。東側の土砂を積み上げて人工の山を造っているとのことで、5世紀後半に造られたと書かれていました。

墳丘のまわりでは桜がちょうど満開で、古墳と桜という奈良ではなかなか見られない組み合わせにうっとりしました。


この古墳群には、馬塚のほかにも女良塚古墳(めらづかこふん・帆立貝式で全長100m)や貴人塚古墳(きじんづかこふん・全長55m)など、名前の付いた墳丘が点在しています。どれが何塚か、歩きながら見比べるのも楽しかったです。

次は、美旗市民センターの歴史資料館へ向かいます!

この建物、まあるいドームのかたちが目を引きますが、じつは前方後円墳をイメージした外観になっているそうです。中には、このあたりの古墳から出土したものが展示されていました。

なかでも目を奪われたのが、この家形埴輪(いえがたはにわ)!屋根の反りや柱まで細かく作り込まれていて、古墳時代の建物ってこんなふうだったのかなあと想像がふくらみます。

美旗古墳群は、殿塚(とのづか)→女良塚→毘沙門塚(びしゃもんづか)→馬塚→貴人塚という順に、4世紀末から6世紀初頭までの約120〜130年間、5世代にわたって継続的に造られたそうです。これは、この地域を治めた首長層(伊賀氏かも?と言われているそうです)の系譜を示すものと考えられていて、いずれも国の史跡に指定されています。

資料館をあとにして、田んぼのあいだの道をのんびり歩いていきます。次は美波多神社(みはたじんじゃ)へ!


美波多神社は、名張市新田(しんでん)に鎮座する神社です。公式の由緒によると、江戸時代の承応(じょうおう)年間に開発された新田村の氏神として祀られたのがはじまりで、その後、新田開発の恩人・加納直盛(かのう なおもり)をまつる加納神社をあわせ、明治時代に周辺の神社を合祀して「美波多神社」と改称されたそうです。

拝殿のわきには、絵馬やおみくじがずらり。馬にちなんだ絵馬がかわいくて、思わず見入ってしまいました。
次は、また古墳へ!毘沙門塚古墳(びしゃもんづかこふん)です。

説明板によると、毘沙門塚古墳は、後円部にくらべて小さな前方部が付いていて、両側のくびれ部には造出し(つくりだし)が見られる前方後円墳なんだそうです。後円部には、壊された竪穴式石室の残骸と天井石が残っていて、木棺の破片も見つかっているとのこと。かつて毘沙門天を祀った祠(ほこら)があったことから、毘沙門塚古墳と呼ばれるようになったそうです。女良塚古墳につづく5世紀の中ごろに造られたと書かれていました。
そのまま、線路の下をくぐる小さな隧道(ずいどう)を抜けていきます。

さらに歩くと、殿塚古墳(とのづかこふん)の説明板がありました。

説明板によると、殿塚古墳は、小波田野と呼ばれた台地の北端に、自然の地形をいかして造られた前方後円墳で、美旗古墳群の中では最初に造られたものなんだそうです。全長は88〜90mほどで、墳丘のまわりには浅い周濠がめぐっているとのこと。陪塚(ばいちょう)のワキ塚からは甲冑(かっちゅう)や鋳造鉄斧(ちゅうぞうてっぷ)などが見つかっていて、4世紀末から5世紀初め頃に造られたと考えられているそうです。
ここからは、のどかな田園のなかを、伊賀神戸駅を目指してひたすら歩きます。途中、田んぼの向こうを伊賀鉄道のピンクの電車が走っていきました。ローカル線ののんびりした感じがなんともいえません。

春の日ざしを浴びながら、川ぞいの道をてくてく。


そして、ゴールの伊賀神戸駅に到着!近鉄大阪線と伊賀鉄道が乗り入れる駅で、ここから電車で帰りました。

今回は約9〜10kmくらいの距離を歩き、桜満開の美旗古墳群(馬塚古墳・毘沙門塚古墳・殿塚古墳ほか)、美旗市民センター歴史資料館の家形埴輪、そして美波多神社を回りました。奈良を飛び出して、伊賀の首長たちが眠る大きな古墳を桜のなかで巡った、春らしい一日でした!





























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