曽爾高原について
曽爾高原(そにこうげん)は、奈良県の北東のはし、宇陀郡曽爾村にある高原です。三重県との県境にそびえる倶留尊山(くろそやま)の西のふもとに広がっていて、なだらかな斜面いちめんをススキがおおっています。
私がおとずれたのは秋のおわりの曇り空の日でした。それでも、丘という丘を金色のススキがうめつくしていて、風がふくたびに穂が波のようにゆれるのがとてもきれいでした。空がどんよりしていたぶん、ススキの淡い金色がかえってやわらかく見えて、これはこれで秋らしい景色やなあと思いました。

曽爾高原は標高およそ700メートルほどの高さにあり、まわりを倶留尊山や亀山(かめやま)といった山にかこまれたお椀のような地形になっています。遊歩道が整えられているので、ススキの草原のなかをのんびり歩きながら景色を楽しめます。

曽爾高原のススキ草原とお亀池
曽爾高原のいちばんの見どころは、なんといっても西のふもとに広がる約40ヘクタールものススキの草原です。倶留尊山から亀山にかけての斜面を金色のススキがおおいつくす光景は、関西でも指おりのススキの名所として知られています。
ススキの見頃は、資料によって幅がありますが、おおむね10月下旬から11月上旬ごろとされています。私がおとずれた11月なかばは穂が開ききって、少し色あせた金色になっていましたが、それでも見わたすかぎりのススキはみごとでした。

高原のほぼ中央には「お亀池(おかめいけ)」という湿原があります。池のまわりには湿原ならではの植物が育っていて、木道や遊歩道から観察できるようになっています。写真の手前に広がっている背の低い草はらが、そのお亀池のあたりです。

草原のなかには、小さな木のおうちのような箱がぽつんと立っていました。背景の丘まで続く道と、遠くを歩く人の小ささをくらべると、この高原のひろさがよく伝わってくる一枚になりました。

曽爾高原を歩いた感想
歩いていていちばん印象的だったのは、ススキの穂が光をすかすところです。曇り空のすきまからうっすらと日がさすと、穂のひとつひとつが銀色にかがやいて、まるで草原ぜんたいが淡く光っているように見えました。


丘の斜面は、近くで見るとススキの金色、遠くの尾根の上にはこんもりとした木々の緑と、ところどころ色づいた葉のオレンジがまざっていて、秋のおわりらしいしっとりとした色あいでした。

亀山のほうへ目をやると、斜面がなめらかなお椀のようにへこんでいて、そのやわらかな曲線のうえをススキがびっしりとおおっていました。山なのにどこかかわいらしい形で、何枚も写真をとってしまいました。

風の音とススキのこすれる音しか聞こえないような、しずかでひろびろとした時間でした。晴れた日の黄金色もきれいだと思いますが、曇りの日のやわらかな曽爾高原も、私はとても気に入りました。

曽爾高原の基本情報
| 観光地名 | 曽爾高原(そにこうげん) |
| 所在地 | 奈良県宇陀郡曽爾村太良路 |
| アクセス(電車・バス) | 近鉄大阪線「名張駅」から三重交通バスで「曽爾高原」方面へ(秋のシーズンは「曽爾高原」行きが運行。時期によって行き先・本数が変わるため公式サイトで要確認) |
| アクセス(車) | 名阪国道「針IC」から国道369号などを経由(所要の目安は公式サイトで要確認) |
| 駐車場 | 曽爾高原(野口)駐車場・曽爾高原ファームガーデンの駐車場あり。料金は1日600円との情報あり(年によって変わる可能性があるため公式サイトで要確認) |
| 入場料 | 高原の散策について特別な入場料の案内は確認できませんでした(公式サイトで要確認)。倶留尊山への登山道の一部では入山料が必要です |
| お問い合わせ | 曽爾村観光協会(0745-94-2106) |
倶留尊山とお亀池のまわり
高原の東にそびえる倶留尊山は標高およそ1,037メートルで、日本三百名山にも数えられる山です。曽爾高原の亀山峠から倶留尊山へと登る登山道がのびていて、健脚の方はススキの草原から山頂をめざすこともできます。ただし、倶留尊山の山頂に近い区間は私有地になっていて、途中の料金所で入山料が必要とされています(金額は変わることがあるため現地でご確認ください)。

また、曽爾高原では秋の夜に、お亀池のまわりを灯籠であかるく照らす催しが長年おこなわれてきました。灯籠の老朽化などで開催が見あわされた年もあり、開催の有無や期間は年によって変わります。夜のイベントをお目あてに行かれる場合は、事前に曽爾村観光協会の情報をたしかめてからお出かけください。
日中のススキ、夕方の黄金色、そして夜の灯り。曽爾高原は時間帯によってまったくちがう表情を見せてくれる、奈良が誇る秋の名所です。曽爾村には温泉もあるので、高原を歩いたあとにゆっくり立ち寄るのもおすすめです。
※この記事の写真は2018年11月に撮影したものです。現在の様子とは異なる場合があります。

























コメント